漫才「英単語」(2分)
ボ「こないださ、ちょっと調べものをしに図書館に行ったのよ」
ツ「調べもの? 何の?」
ボ「新しい学校のリーダーズ」
ツ「ないない。まだ文献になってないよ、新しすぎて」
ボ「そしたらテーブルに小学生ぐらいの男の子が居て、英単語の勉強してたのよ」
ツ「ほう」
ボ「単語カード使って」
ツ「あぁ、自分で書いてめくるやつね。それが?」
ボ「それがその子、英単語を1つ1つ大声で読み上げるのよ」
ツ「大声で? 図書館なのに?」
ボケ、単語帳をめくるジェスチャー(単語を言うたびにめくる)
ボ「ベースボール、野球」
ツ「あ~、これは迷惑」
ボ「ジーニアス、天才」
ツ「でもこの子は頑張って勉強してるだけですからね」
ボ「エンゼル、天使」
ツ「悪いのは、この子をほったらかしてる親なんですよ」
ボ「ビッグ、大きい」
ツ「大谷翔平じゃない?」
ボ「ジャイアント、巨大な」
ツ「大谷翔平に関する英単語だけ勉強してない? この子」
(間をあける)
ボ「イワテ・プリフェクチャ―、岩手県」
ツ「やっぱり。大谷の出身地」
ボ「ワンハンドレット・ナインティ・スリー、193(ひゃくきゅうじゅうさん)」
ツ「193センチ、大谷の身長かな?」
ボ「トランクス・パーソン、トランクス派」
ツ「詳しすぎるな。 大谷、トランクス派なんだ」
ボ「ホームラン」
ツ「ん? ホームランはホームランじゃない?」
ボ「あなたが最も輝く瞬間」
ツ「意訳がすごい!」
ボ「マリッジ」
ツ「結婚? 最近したね」
ボ「おめでとう」
ツ「感想!? 英語の勉強じゃないの?」
ボ「ワイフ」
ツ「妻?」
ボ「いいなぁ」
ツ「確かに羨ましいけど! 日本人全員、大谷と結婚したいからね」
ボケ、うつむき、声のトーンを落とす。
ボ「……シークレット、秘密」
ツ「秘密? 大谷と関係ある?」
ボ「ハイド、隠す。サン、息子。リーブ、離れる」(早口で)
ツ「まさか……?」
ボ「マイファザー、大谷翔平」
ツ「大谷の隠し子!? この子大谷翔平の隠し子なんだ!」
ボ「ユニフォームナンバー」
ツ「背番号ね?」
ボ「後ろ姿だけを覚えてる」
ツ「切ない意訳!」
ボ「ベースボール」
ツ「野球でしょ?」
ボ「あなたを連れ去った悪魔」
ツ「野球に奪われたんだ! 父親を!」
ボ「アイミスユー」
ツ「あなたに会いたい?」
ボ「お昼のニュースを見るのがつらい」
ツ「もうホームラン打たないであげて大谷選手!」
ボケ、キャラを降りる。
ボ「……っていう子がいたんだよ」
ツ「はぁ、それで結局、調べものはできたの?」
ボ「バッチリ、大谷は193cm」
ツ「いや大谷について詳しくなってんじゃねーか、もういいよ」
〈おわり〉